遅刻は「指導」対象か 優しく眠らせるべし

  睡眠を妨げると如何なる生物も認知能力は著しく低下する。昆虫やミミズから象や鯨はもちろん類人猿も学習が妨げられる。現代日本人は寝足りているか。


 若者の若者の睡眠時間は、国際的にも歴史的にも惨憺たる有様だ。

 にもかかわらずTV番組では、日本人が如何に優れ、外国人の憧れ賞賛の的になっているかの映像で隙間もない。寝る間も惜しみ、寝る間も奪われて過労死も世界一。満員電車での通勤時間も世界一だ。

 青少年が眠りを奪われて壮年に達するとき、日本の認知能力の低さは目を覆うようになるに違いない。それは政権党議員らの知的倫理的堕落として既に現れてしまった。

   或人、法然上人に、「念仏の時、睡ねぶりにをかされて行ぎょうを怠り侍る事、いかがして、この障りをやめ侍らん」と申しければ、「目のさめたらんほど、念仏し給へ」と答へられたりける、いと尊とうとかりけり。 吉田兼好『徒然草』第三十九段

「それなら目覚めている時に・・・」 兼好法師
 「念仏を唱えていると、どうしても眠くなって怠けてしまいます。どうしたらいいのでしょうか。」とある人が、法然に聞いた。・・・「それならば、目が覚めているときに念仏を唱えなさい」と、それが答。実に尊い。

「またやってしもてん」「堪忍やで」

   かつて旋盤実習棟の屋根裏は木造トラス構造が美しく、動力は天井の長い鉄軸と滑車とベルトで中央動力源から伝えられ、工場らしい錯綜する陰影とリズミカルな音が満ちていた。それが機械ごとの小型モーターに切り替わったのは1970年代半ば過ぎ。高校進学率は90%を超え、夜間高校では働く青...