「Boycott is a right and a duty」

 日本の防衛副大臣中山泰秀は12日、イスラエルとパレスチナの「交戦」を受けて「私たちの心はイスラエルと共にある・・・イスラエルにはテロリストから自国を守る権利がある」と自身のtwitterに書いた。

 イスラエル警察隊によるエルサレム旧市街のイスラム教聖地への突入殺戮を「交戦」と言ってのける神経が危い。


  シカゴに拠点を持つ非営利独立のThe Electronic Intifada(https://electronicintifada.net)は、一貫してパレスチナの視点から報道してきた。

「Boycott is a right and a duty」という記事を掲げたのは、5月12 日。

  Israel’s efforts to demonize the Palestinian call for boycott, divestment and sanctions (BDS) threaten a venerable form of nonviolent resistance.

 These efforts push for the censoring of Palestinian voices and those of our allies, undermining free speech rights and academic freedom while falsely conflating criticism of the State of Israel with anti-Jewish bigotry.

 At first, Israeli leadership acted as if the movement wasn’t a threat to its occupation, the policies and practices of which violate international law.

 But a decade after the launch of the BDS call in 2005, as the movement gained strength internationally, the Israeli government declared war against it.  ・・・

 

 Boycott, Divestment, and SanctionsはBDS運動の略称。「ボイコット、投資撤収、制裁」運動。イスラエルに対し、国際法違反行為を中止させるための政治的・経済的圧力の形成と増強を目的としたグローバルキャンペーン。BDS運動は「イスラエルに国際法を遵守させるまで、様々な種類のボイコット」を行う。BDS運動狙いは、イスラエルによるパレスチナ人の領土(東エルサレムを含むヨルダン川西岸地区とガザ地区)およびゴラン高原の占領と入植の終結・イスラエル人とアラブ人差別解消・パレスチナ難民の帰還権の承認である。画像には「The global boycott is growing despite attempts to criminalize it.」と添え書きがある。

 

  峠三吉の原爆詩集を思わずにはおれない。

    一九四五年八月六日、広島に、九日、長崎に投下された原子爆弾によって命を奪われた人、また現在にいたるまで死の恐怖と苦痛にさいなまれつつある人、そして生きている限り憂悶と悲しみを消すよしもない人、さらに全世界の原子爆弾を憎悪する人々に捧ぐ。

   

ちちをかえせ ははをかえせ

としよりをかえせ

こどもをかえせ


わたしをかえせ わたしにつながる

にんげんをかえせ


にんげんの にんげんのよのあるかぎり

くずれぬへいわを

へいわをかえせ


八月六日

あの閃光が忘れえようか

瞬時に街頭の三万は消え

押しつぶされた暗闇の底で

五万の悲鳴は絶え


渦巻くきいろい煙がうすれると

ビルディングは裂さけ、橋は崩くずれ

満員電車はそのまま焦こげ

涯しない瓦礫がれきと燃えさしの堆積たいせきであった広島

やがてボロ切れのような皮膚を垂れた

両手を胸に

くずれた脳漿のうしょうを踏み

焼け焦こげた布を腰にまとって

泣きながら群れ歩いた裸体の行列

  ・・・ 


 長年の欧米侵略に虐げられる中東・アラブ諸国は、日本をアメリカによる「原爆投下の焦土のから立ち上がった平和国家だ」と敬意を抱いてきた。

 その親日感情が、閣僚の愚かなtwitter投稿で一気に崩れ去る。日本の「平和国家」理念の浅薄さが知れる。原爆投下の将軍ルメイに日本政府は勲一等旭日大綬章をやっているのだから。

 原爆詩集を掲載する教科書「公共」 は現れるだろうか。世界のBDS運動が日本の青少年の行動を促すのはいつのことか。

追記 イスラエルで2日、野党勢力が新政権の樹立で合意.。12年間にわたったネタニヤフ首相の長期政権が終わる。最大野党の中道「イェシュ・アティド」のヤイル・ラピド党首が、8党による連立政権が発足したと発表した。ラピド氏は声明で、ルーヴェン・リヴリン大統領に連立の合意を報告したと説明。「この政府がすべてのイスラエル国民のために働くことを約束する。新政府に賛成票を投じた人、そうしなかった人の両方に対してだ」とした。また、「反対する人のことも尊重し、イスラエル社会のすべての要素を結束しつなげられるよう全力を尽くす」と表明した。BDS運動の広がりは凄まじかった、ただし日本を除いてと言わざるを得ない。

 

五輪選手村にコンドーム大量配布の愚  五輪「ボランティア精神」と天皇制fascism「奉公」の相似性  


「宮城前清掃」「土下座の皇居礼拝」「出征兵士を送る万歳三唱」・・・と、東京オリンピックボランティアには相似性がある。前者が天皇制ファシズムへの追従加担であったならば、後者はIOC Ripoff Baron支配する商業主義スポーツ祭典への盲目奉仕である。国民の犠牲を意に介しない傲慢な無神経さが共通している。

 天皇制ファシズムが「従軍慰安婦」を不可欠の手段としたように、商業主義プロスポーツ祭典も「コンドーム」無料配布へ抜かりがない。

 選手村でのコンドーム無料配布は、性感染症予防を口実に1988年ソウル大会から始まっている。2000年シドニー大会は12万個、08年北京大会は10万個、12年ロンドン大会は15万個、16年リオ大会では45万個が配られた。このリオ大会では選手1人あたり約42個のコンドームが配布された計算になる。

 オカモトKKと相模ゴム工業KKによれば1998年長野五輪の際、大会関係者からの依頼で、3~5万個のコンドームを選手村に配布したという。両社とも「五輪でコンドームを配布することは、「世界中の人々の性の健康を守るための大切なチャンス」」と捉えて、濃厚接触厳禁体制下でも16万個配布する予定。コロナ感染予防など、商業主義スポーツ祭典関係者の眼中にはない。

 緊急事態宣言で行動制限を強要しておきながら、同時にgo to travelキャンペーンで感染を広げた愚かさを狂気のレベルにまで導くものだ。

 五輪関係者向けにファイザー社とビオンテック社からワクチン提供が伝えられたが、選手への接種は義務付けられていない。IOCのバッハ会長は「(ワクチン接種を)必要条件にするというのは行き過ぎ。個人の健康の問題だ。自由裁量に任せる」と説明している。五輪相の丸川大臣も「ワクチンを前提にしない大会の準備をしている」と表明。ワクチン未接種の小学生数十万人を観戦に動員する予定も着々と進んでいる。

 五輪関係者の夜の濃密交歓にはコロナ感染爆発の危険があっても格段の温かい配慮、コロナウイルスに怯え苦しみ公的支援なしに逝く者への視線は冷酷の限り。それが政権運営者の言葉に現れている。曰く「国民の命と健康を守り安全安心な大会が実現できるように全力を尽くす」 

 こうした商業主義プロスポーツ祭典の醜悪さを、教室でどのように喋るべきか戸惑う。まさか日本会議青バッチの政権党議員は「絶好の性教育の機会だ、配布される実物を使ってでもやれ。子どもの性教育とはわけが違う、大人の恋愛は自由だ」とは言うまいな。

 この大量無料配布の事実に、見ざる・聞かざる・言わざるを決め込む世界が恐ろしい。嘗て日本敗戦とともにやってきた占領軍対象対象の特殊慰安施設に、多くの日本人が知らんぷりを決め込んだように、この大量配布にも見て見ぬふりするのを大人の対応とするのか。開会式や閉会式の中継に、オカモトと相模ゴムは、選手への無料大量提供を誇るCMを流せるだろうか。通勤電車の広告に、選手団とゴム製品を写真入りで一斉掲示して胸を張れ。 

 特殊慰安の衛生品の無料配布が、五輪運営に欠かせないのなら、IOC廃絶条約をつくる必要がある。

若者を貧困と無知から解放すべし

    「病気の原因は社会の貧困と無知からくる。」「だがこれまで政治が貧困と無知に対してなにかしたことがあるか。人間を貧困と無知のままにしては置いてはならないという法令が出たことがあるか」   黒澤明は『赤ひげ』で新出去定に怒りを込めてこう言わせている。             ...