サウジアラビアとイランが和解したことの意義

 





 2016年からサウジアラビアとイランは、互に大使を交換、安全保障や貿易投資などの協力を再開する。両国は北京で調印

 サウジアラビア、イラン、中国は昨年末から交渉を重ねていたが、アラビア語とペルシャ語と中国語のみで話し合った。米英覇権下の外交ではあり得なかった。非米・多極型世界体制の立ち上がり=英米覇権終焉を象徴している必死で国際化の掛け声に踊らされ、英会話と米英帰りのみを有難がる日本は時代錯誤の道化となった)。

 中国を介した和解交渉は英語を使わないことにより、米英が交渉の中身を傍受して妨害策をとることを難しくした。 英米は冷戦体制下の「同盟国」1000余箇所の軍事基地を利用して世界中の通信を容易く傍受できた、その恩恵で米英企業や大学は特許情報等をいち早く入手、他国を出し抜いてきた。それが可能だったのは、英語(が)国際語との安易な錯覚が拡がっていたからだ。多様な言語による情報交換が当たり前であれば、通信傍受の膨大な人員と費用を節約出来ない。

 それだけではない、国際関係が英米語をハブとすることなく、直接の交流が可能となっただろう事は確実だ。

 英米による情報独占は冷戦体制下の国際関係を恣意的に分断・撹乱する事を容易にしてきた。英米に従属しない自立を目指す政権が残忍且つ幼稚極まる画一的「クーデター」で潰されてきたのだ。単一言語による帝国主義でしかないものを「国際化=グローバライゼーション」と囃し立ててきたのだ。日本の英語教師はそれに加担して胸を張ってきた。

 僕は、高校の外国語に朝鮮語や中国語を導入すべき事を「底辺校」で力説して多数派教員(彼らは英語を地域言語ではなく国際語だと言い張った)に嫌われた。生徒の多くが中学で受験英語嫌いになっているのに更に三年間、受験英語に苦しむのだ。ペルシヤ語やウルドゥー語もいい。豊かさや覇権から遠い言葉の学習は、少年少女たちの世界観をゆっくりと確実に変えるに違いない。映画・文学だけでなく食べ物・服装持ち物・習慣まで覇権国家文化の影響下にあって視野を曇らされたのが、全く新しい視野を得る筈だ。

 多言語学習環境下では、例えば嫌韓言説が巷間に溢れる現象もありえない。大学受験や就職試験もTOEFL等の影響は忽ち薄れ、言語そのものへの関心と理解が前進する。それが日本の単一民族幻想や、偏務的日米地位協定・年次改革要望書を破棄する力となる。


  もし我々が英米語をハブとすることなく、直接に諸言語を獲得していたら・・・。例えば今になってようやく知ることになったカダフィ大佐に関する情報を、リビアへの米英仏の大規模爆撃以前に直接入手出来た筈だ。

  今我々が知る『Gaddafi』に関する情報を、遅ればせながら列挙してみる。 

/.リビアでは教育も医療も無料。/.電気も無料。

/.リビアの対外債務はゼロ、外貨準備高1500億ドル

/. 新婚夫婦には、6万ディナール支給。

/.車は政府が価格の50%を融資。/.銀行は公営で国民への融資は無利子。これはもととイスラム圏の思想。

/.就職決定まで、仕事の平均給与を国が支給。

/.出産には、5,000ドル支給。

/.パン40個0.15ドル。/.ガソリン1リットル0.14ドル。

/.Gaddafiは、砂漠の国全体に水を供給する世界最大の灌漑プロジェクト「BIG MAN PROJECT」を持っていた。

  Gaddafi大佐は独特の強烈な風貌で、豊かで公平平等な民族共同体を形成しつつあった。これを独裁と呼び攻撃したのが言語帝国主義=英米語ハブ環境。では英米民主主義とは何か。資源の独占私有を自由競争と考える「自由主義」者にはl略奪の春である。

  様々な政治文化環境にある国の「クーデター」騒ぎを一律に「Arab Spring」と言い、一連の色をつけ「Color revolution」と呼ぶことの作為性に気付かない愚かさがある。それが我々の自立した思考を麻痺させるのだ。

  Gaddafi体制爆撃の目的は、リビアの豊富な資産を強奪することだった。欧米「先進国」の「豊かさ」は十字軍以来他国からの絶えざる略奪に依っていた。BRICSも上海協力機構も、英米覇権体制より遙かに自由で平等な国際環境を実現する筈だ。

 自前の資源なしに、無料の教育・医療・福祉・住宅に関する平等な権利を、米州機構の暴力的経済制裁に耐え通し、ついには米国を米州機構で孤立に導いたCastro兄弟・Guevaraの功績は計り知れない。同じ事はGuevaraを鼓舞して止むことのなかったHồ Chí Minhにも言える。貧しさに長く耐える精神が、自由と平和を実現する。

追記 サウジアラビアは5月19日のアラブ連盟首脳会議にシリアアサド大統領を招待する予定。サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハン外務大臣が間もなくダマスカスに赴き、アサドにサミット出席の正式招待状を手渡す。

 英米語覇権体制の崩壊は、「もし嘘が戦争を始めることができるのなら、真実は平和を始めることができる」とのジュリアン・アサンジの警句を裏打ちしつつある。教師も報道陣も真実の伝え手としての自覚と覚悟が必要。                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

もし、君の庭が貴金属だらけになったら

   夢のような幸運、たった一掴みでどんな贅沢も思いのままだ。ひとかけらの土も糞や汚物もない。大リーグ「大谷」の幸運は、さしずめプラチナか巨大なルビー相当だろうか。プロゴルフも競艇も競馬も囲碁将棋gamerもオリンピックplayerもその稼ぎ高が、画面や紙面を賑わす。それにつられ...