「開発」が伴えば、持続可能な未来はあり得ない

  SDGsは「Sustainable Development Goals」の略。我々「生物」にとってすでに進行中の絶滅は、Developmentを反転させることなしに止めることも減速させることもできない。持続したければ「縮小」再生産のみが、我々に残された選択肢、つまり選べない。しかし業界の利害は「持続可能」を自分に限る惰性を持っている。


 地球は、全生物種の大半が絶滅する「大絶滅期」を何度も経験している。6,500万年前(白亜期)の巨大隕石の衝突で、全生物の約75%が絶滅した恐竜の絶滅もその一つ。現在は「大絶滅」をはるかに上回る速度で加速している。


 恐竜時代以降絶滅した種の数は、恐竜時代は1年間に0.001種、1万年前には0.01種、1000年前には0.1種、100年前からは1年間に1種の割合で生物が絶滅した。現在では1日に約100種。1年間では約4万種が地球上から姿を消している勘定だ。驚くべきことに、わずか100年で約4万倍以上の速さで滅びる。加速の度は止まることを知らない。このままでは25~30年後には地球上の全生物種の1/4が失われてしまう。大食いやメダル競いに明け暮れている場合か。持続「不」可能な地球に首まで埋まっているのに。 


   生物の絶滅に最も大きな役割を果たしたのは人類ではないか。であれば人類そのものが絶滅種になることは、倫理的必然。人類人口の爆発的増加は、人間の「開発」行為がもたらしてきた。プラスチック製品はそのほんの一部、安く便利だからと大量生産・大量廃棄する。おかげで海のプラスチック塵の総重量は凄まじく増え続け、2050年までに魚類の総重量を超えてしまう。

   便利さと儲けに目が眩んで、全世界で軍用機の総数は5万2107機をこえた。このうち1万3717機をアメリカが保有。2位ロシア3547機、3位中国2942機、4位インド2086機、そして5位自衛隊が1590機。空中で二炭素炭素をまき散らす殺人兵器の圧倒的多数をアメリカが持っている。 

 ストックホルム国際平和研究所による武器製造と軍事サービス企業の売上高は、1位アメリカ「ロッキード・マーティン」軍事部門の売上高は357億ドル(2兆8584億円)、2位イギリス「BAEシステムズ」328億ドル(2兆6304億円)、3位はアメリカ「ボーイング」313億ドル(2兆5088億円)と続き、上位10社のうち7社がアメリカの企業で占められた。また、上位100社ではアメリカの企業は44社で、世界の総売上高の60%を占めている。

 銃による死亡の多くは、家庭内で起きている。同様に武器の主要な矛先は国内にある。


 「死の商人」には「破壊と殺戮」の「持続可能」性こそ希望なのだ。であれば地球は絶滅を回避できない。

 小さなことを積み重ねて、絶滅を僅かに遅らせることしかできない。

 例えば、すべての公用車を廃止して、閣僚も議員も官僚も自転車やバスでの通勤や移動を義務づける。議員も高官も街の喜怒哀楽を肌で受け止めることになる。教師や学生も自治体職員も徒歩を原則にして、入試は廃止する。石油も鉄も単純に減少する。大勢が失業する、ワークシェアリングの絶好の機会も訪れる。暇と適度の所得と自由は、我が国が経験したことのない「発展的」事態をうむ。


 中国青島では、青岛啤酒のビニール袋での売り買いが昔から定着している。
紹興では夏の暑い盛りに、路地に薬缶に沸かした麦茶が置かれ、添えられたコップで行き交う人々が自由に飲むようになっていた。ロシアではソ連時代から清涼飲料水「クワス」を、車輪付きタンクで売り回っている。

 アルミ缶清涼飲料は中身より缶の方が高い。


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