止める、なくす事はなぜ困難か

何にもない、貧乏だけ

 「課題集中校」 「底辺校」 「教育困難校」、名前を変えれば何かやった気分にはなる。だが問題の解決には決して結びつかない。根源には選別的入試制度があって、個々の学校に個別に存在しているわけではない。

 入試廃止が論議されたことはこの百年ない。入試方法「改善」だけが俎上に載った。公立学校全体の受験競争率が殆どなくなっても、延々と「改善」の余地を求めている。その改善にはいつも画期的とか根本的と形容詞が付けられる。中身がないからだ。 

 ・・・ 何故入試がなくならないのか・・・。問題を逆立ちさせると分かり易い。

 入試につきものの隠された部分=「裏口入学」のために入試が止められないのではないか、そう考える。


 相撲の桝席には、弁当やお土産が付いてくる。これは「おまけ」ではない。予め専属茶屋への高額なチップ(客数×2万円程度)がセットされている。おまけに冷えていて不味い、いつも同じ中身という代物。

 就職すれば給与のほかに接待費がついてくる。スマホには余計な機能がてんこ盛り。結婚には式と披露宴が欠かせない。披露宴には引き出物。これらwidgetなしには少しも心が休まらないように仕向けられている。

 widgetとは役に立ちもせず芸術性もない「小物」である。見栄を張るためにだけ存在する。

 弾く暇や演奏する場所がもないのに買うピアノ。スーパーに買出しするしか使い道のない車を、3ナンバーにしてアルミホイルやカーナビを付ける。指やスマホを小さな装飾だらけにしないと収まらない。


 選抜的入試制度の陰には裏口入学が潜んでいる。ドイツやフランスのように大学入試がなければ、誰でも何時でも入学できるから、裏口入学に意味はない。毎年大掛かりな入試をさせるのは、滅多にやらない裏口入学のため。コストは学生や大学に被せる。大学は研究と教育.を犠牲に無駄な手間を費やし、費用は学生に投げる。

 社会的富を何も生まない空騒ぎのために受験産業が膨大な姿を現すことになった。彼らは今や文科行政を手中にしている。

 どうでもいい小物に欲望を掻き立てることを仕事にする組織も現れ、莫大な利益をあげる。彼らは戦争すら仕組む。広告代理店である。無くても支障のない仕組みが、あってはならないことを引き起こしている。他国への侵略、医療や福祉体制破壊、公教育破壊、環境の不可逆的破壊、民族絶滅、国家の抹殺・・・

 官僚になれば官官接待や汚職が付いてくる。断っても断らなくても怖い代物。国民共有財の管理に携っているだけなのに、私物化する権限があるような気になる。動産、不動産は言うに及ばず、電波や情報まで。学校認可や水道も。生じる利益は懐に、コストは国民に被せる。マスコミが嗅ぎ付けたら鼻薬を嗅がせれば済む。

 日本では新聞社にtv局がついている。クロスオーナーシップ(相互所有)という。

  欧米ではクロスオーナーシップは法律で禁じている。情報が独占されるからだ。互いに批判しあうどうしが慣れあって、報道に緊張感がない。先進国でクロスオーナーシップが放置されているのは日本だけだ。

 揃いも揃って大新聞は東京オリンピックのスポンサーにもなる始末。もともと新聞社には高校野球や囲碁対局が付き物だった。二つの報道システムが政権に忖度している時、恰も社会に問題が何もないかのように見做される。その隙間を埋めるために様々な催し物が「準備」される。芸能人という諸外国にない存在もこのシステムの一環である。芸術でも教養でもない、。政権に操られるマスメディアの埋め草。

 こんなことのために、新聞の機能は腐敗しきっている。おかげで新聞購読料は欧米に比べてべら棒に高い。


 フィンランドのtvにはバラエティ番組はない。一番人気は討論番組で、二番目がニュース番組、三番目はドキュメンタリー番組だ。親と子がテレビ番組を見ながら語り合うと言う。午後や深夜にまでtv電波を飛ばして、国民を愚民化する神経を持っていない。静かで安らぎに満ちた時空が、日本から絶滅した。

 

 廃止するだけですっかり良くなるものが山ほどある。  日本には巨大なwidget=天皇制もついている。パチンコ人口は約1,700万人、市場規模は約21兆円。これには警視総監が関係業界に天下りする仲。パチンコだけでなく競輪・競馬・競艇・・・ギャンブルには許認可官庁が付いている。

   「労働統計2019」によれば、「大学・大学院を卒業し、フルタイムで正社員を続けた場合の60歳までの退職金を含まない生涯賃金.」は、男性で約2.7億円、女性で約2.2億円。.ここから社会保険料や所得税・住民税などが差し引かれるので、生涯手取りは、男性で約1.89億~2.16億円、女性で約1.54億~1.76億円ぐらいになる。

 この所得の大方は widgetに費やされる。代々受け継がれる財産というほどのものは殆どない。大部分は有料でなければ誰も引き取らない粗大ごみとなる。こんなもののために、過労死するほど働くのか。 地位にもつまらぬものがいっぱいついてくる。それは取引に付随する投資としての株や別荘などの不動産であったりする。気が付けば大きな負債で首が回らなかったり、首を吊ったりする羽目になる。「付いてくる」widgetを軽くみてはならない。70過ぎた年寄りが雨降りの寒い夜も働かねばならぬ国のどこがcoolなんだ。


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