雨にも負けず・・・

  日本国籍を失ったアメリカ国籍のマナベ氏がノーベル物理学賞をもらった。彼は

「日本に戻りたくない理由の一つは、周囲に同調して生きる能力がないからです」

と言い切っている。

 マナベ博士は偶然日本で生まれた。そんな些細なことで「日本人!日本人!」と興奮して得意がる国柄はさもしい。偶々異国で生まれた人が、又は難民となった人が、この国の大学や研究機関だからこそできる研究でノーベル賞を取る事がありうるか。そちらのほうがずっと誇らしい。

 そんな母国にワクワクする主権者でありたい。

  

 わざわざ選んで日本に留学してきたスリランカ女性を、在留資格を失ったとして法務当局が収容・虐待し続けた。彼女は日本語で「なんでわたしたち動物みたいな扱いですか?」とメモにのこして極度に衰弱して絶命。 こうして収容中に亡くなった人は2007年以降、17人。そのうち5人はみずから命を絶っている。「おもてなし」と言いながら、何たるざまだ。この国は嘘つきや詐欺師、下着泥棒を大臣にして恥じない政府を許している。

 誇りは状況と闘ってこそ生まれる、もとからそこにあるものではない。

富士に向けて砲弾を放つ米軍、上空は
米軍管理の広大な「横田空域」



 「あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない。

・・・我々がこしらえたものじゃない」と言ってまたにやにや笑っている。

・・・三四郎は「これからは日本もだんだん発展するでしょう」と弁護した。

すると、かの男は、すましたもので、「滅びるね」と言った。  漱石『三四郎』

0 件のコメント:

コメントを投稿

僅か6年前僕が考えていたこと Ⅰ

   ミンドロ島はフィリピン・ルソン島西南方にある。米軍は圧倒的装備でここに上陸、日本軍は絶望的な状況に置かれていた。飢餓とマラリアに苦しみながら、大岡昇平は敵が現れても撃つまいと決意する。   林の中をがさがさと音を立てて一人の米兵が現れた。  「私」は果たして撃つ気がしなかっ...