「大本営発表」由来の筋書きを暴露しないことが良識なのか

  2021年の暮れ、長いメールが友人から届いた。彼は現役の医者で医学部教授でもある。

 仕事の帰り道に、I・立憲参議院議員の事務所に、時々よって 話しすることがあります。・・・

 自公政権の悪政は長期間続いているだけでなく、国民の生活と人生の安心不安と幸福感、経済停滞下での企業利益と株主配当増加と賃金低下、社会の(不)健全さ、アメリカへの従属と軍備拡張強化、国民に対する監視等々の更に悪政は強化され続けている。悪政は更に悪しくなって続いているにもかかわらず、2021年総選挙では、自公政権は多数を占め、維新の会などの補完勢力は飛躍し、野党共闘勢力は後退した。・・・・

 彼の義憤は高校生の頃から一貫して誤魔化しがない。だが義憤も続けば人は消耗する。僕は思う、かくも長き義憤は何故か。長きにわたって政変も革命もクーデターさえ無かった、一時は興奮渦巻く変容に見えた現象も瞬時の稲妻に過ぎなかったのか。全てが「大本営発表」由来の筋書きに乗っていたのではないか。

 我々には何一つ自己決定権がない。例えば政府でさえ「横田空域」の存在に口を挟む気配すらない。「横田空域」所有者が大戦後の「大本営」と化している。(おかげで日本政府自体が、歴史の記憶から広島・長崎の原爆爆撃が「米国の仕業」であったことを消し去ることに躍起になっている。)

 平の国民なら、なおさら自己決定権はどこにもない。高校生は有料のお仕着せを「カワイイ」と歓声を上げる始末だ。若者は自らの進路も何一つ選択できない。格付け=偏差値による割り当てから自由になれないからだ。 教師は更に哀れだ、労働基本権すらない。 

 政府は我々「主権者」が入手できない各種の情報を、例えばワクチン接種の影響について詳細なデータと論文を把握しているはず。欧米はこれらを公開している。  

 日本では、ある学者がコロナワクチンの全有害事象等の開示を求める行政訴訟をおこした。これに対し、厚労省はなんと「20234月3日に一部のデータを開示し、全データの開示は2026年度末までに段階的に検討する」と回答する始末。ワクチン接種は、主権者ひとり一人が詳細なデータをもとに判断する。医学論文を何一つ書いていない専門家で構成する会議が下命するものではない。 詳細なデータの作成と公開が官僚=公僕の義務であり、その所有権は主権者に帰する。

 にも関わらず判断は官僚が行い、国民は温和しくそれに従う。この国ではこの構図に異議を唱え怒りを表明することが「大本営発表」の存在を暴露することとして「自粛」の対象となって久しい、自粛すれば全てが存在しないことになる。虐めもパワハラも暴露する奴が混乱の源だと見做される。それは「国際」関係そして国政から学校までを貫く「良識」=処世術となっている。

  EUには、そんな「良識」を打ち破る仕組みがある。

 米国はその覇権的立場に胡座をかき、同盟諸国や従属国など第三国に対して米国が設定する制裁体制に従うよう圧力をかけていた。外国企業は米国の制裁対象国と取引すれば、米国市場を失うことになった。 それでも従わなければ軍事クーデターによる政権打倒は常套手段だった。その例は中南米で幾度も繰り返され、中東や東アジアやアフリカ間断なく続いた。

 これらの米国の治外法権的措置に対抗するため、EUはブロックメカニズムを導入。第三国とEUは、不当な制裁法の阻止、制裁の範囲を回避するための特別な目的の手段、さらには対策など、さまざまな非司法的メカニズムを利用している。

 EUブロック規定第5条(1)では、「EUの運営者は、EUが治外法権的に適用するとみなされる一連の外国制裁法の「外国裁判所の請求を含む、直接的または間接的に」要件または禁止事項を遵守することが禁止される」。  問題の法律は規則の附属書に記載されているが、現在はすべて米国の法律。 第5条(2)は、欧州委員会がこれらの法律の全部または一部を遵守するようEU運営者に権限を付与することができ、これに従わぬ場合、EUの利益を害することになると規定している。  2018年、欧州委員会は、イランに対する米国の二次制裁(再適用)を含むようEUブロック規定の附属書を更新している。 

 ブロック法は、EU企業が米国の制裁に従うことを禁止しているわけだ。例えば米国が核協定を脱退した後、イランに対して加えた制裁を拒否するために使用されている。

   米軍とともにリビアやイラク等を爆撃してきたeu諸国ですら米国の干渉に手を焼いていることがよく分かる。eu諸国や米国に支配された弱小国家・民族は過去の「宗主国」に対する怒りや悲しみは如何ばかりか、想像するに余りある。

 英国王戴冠式騒ぎの中、英連邦12カ国の先住民組織や指導者たちが、イギリスの植民地化が先住民に与えた影響に対する謝罪を求める書簡を突きつけた。「謝罪、賠償および遺品と遺骨の送還」と題された書簡は、元上院議員で『オーストラリア共和国運動』の共同議長を務めるノバ・ペリスの提案による。

 「私たちは、2023年5月6日の戴冠式の日にイギリ

スの君主であるチャールズⅢ世に対し、先住民や奴隷にされた人々の大量虐殺と植民地化の恐ろしい影響と遺産を認めるよう求める。」 この申し立ては、君主の正式な謝罪に加え、英国の博物館や施設に保存されている原住民の神聖な品々や遺骨の本国送還を強く求めている。

 この書簡には、チャールズⅢ世を国家元首とするアンティグア・バーブーダ、オーストラリア、バハマ、ベリーズ、カナダ、グレナダ、ジャマイカ、ニュージーランド、パプアニューギニア、セントキッツ・ネイビス、セントルシアと、セントビンセント・グレナディンの代表者が署名している。彼らは、何世紀にもわたる「大量虐殺、奴隷制度、差別、虐殺」の間に人々から盗まれたすべての文化財や芸術品の返還を要求している。

 さらに、バチカンが行ったように、「大航海時代の教義」を放棄するよう君主に求めている。この教義を否認することによって、先住民との協議と賠償のプロセスを開始することが可能になると署名者たちは考えているのだ。


 エリザベスも黒人奴隷を酷使し、印・中両国を麻薬漬けにすることで大英帝国の礎を築いたという過去を謝罪していない。彼女は王冠に、インドから略奪したルビーと南アのダイヤを嵌め込んでいた。恥じるどころか得意満面の笑いを浮かべて。

 日本はどうなのか。加害と被害の両面から問うべき課題が我々には突きつけられている。決して逃げられないし逃げてはならない。だが逃げ隠れが止められない。

   世界中が太平洋戦争後の日本のようになると、青い目の「大本営」は考えている節がある。徹底的に無差別空襲され、原爆を二発も落とされて、容赦のない圧迫は、反抗を惹起するのではなく服従を生んだ。しかし、暴力はいつか必ず「夢」を破る。

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