教師の暴力と生徒の暴力

  かつて都立K高校で、生徒と教師の言い争いがあって、生徒が教師の襟元を掴んだ。教師に対する暴力と見做して退学処分となった。これに生徒たちは納得せず混乱が続くうちに、今度は生徒を教師が殴る事件が起きて騒ぎは大きくなった。当然である、襟元を掴んだ生徒が退学なら、殴った教師も同じように扱われなければならない。生徒たちは、暴力教師の馘を要求した。教師たちはいろいろ説明をこころみて、教師の馘首はできないと言ったが生徒たちの怒りは高まる。このままではマスコミ沙汰にもなりかねない。職員会議が侃々諤々と長引いた。結局、両方の事件とも無かったことにするで幕が引かれることになった。殴った教師に大いに有利で不公平だが、退学を避けたい生徒たちはやむを得ず矛を収めた。
  日本が従属しているある国では、教師が生徒に暴力を振るった場合は即刻馘首処分。生徒が教師を殴った場合は、指導をしなければならないから、登校させてカウンセリングなどを受けることになるのが一般的である。これは処分ではない、権利としての指導である。
  いま、このK高校はない。もし、日本にも高校生の組合があったら、こうした情報が集積され分析整理され、有効に利用されるに違いない。
  フィンランドでは、様々な組合が大きな影響力を持ち、権利を掲げて団体交渉、高校生の組合もあって、高校生組合の意見も新聞やTVで取り上げられる。

  THE UNION OF UPPER SECONDARY SCHOOL STUDENTS IN FINLANDはホームページ冒頭で次のように自己紹介している。
  「The Union of Upper Secondary School Students is a politically and religiously independent organisation founded in 1985. We provide our members the only official student card available for upper secondary school students. A student card entitles its holder to thousands of benefits and discounts.

In addition to offering valuable benefits, we work hard to maintain and improve the conditions concerning secondary school students. We also produce a quality journal Improbatur and organise student activities around Finland. With over 50 000 members The Union of Upper Secondary School Students is the largest student organisation in Finland, that is based on voluntary membership.


  これは「ごっこ」ではない。                                     明日に続く

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