狂人を縄でからげて
病室にぶち込むことを
保護と言うなり 金子文子
彼女については、「天皇が神なら、戦争でも兵隊が死なない、飛行機も落ちないはずでしょう」←クリックに書いた。
日本の病院の12.5%は精神科病院。一般病院の精神科も加えた病床数は34万4千で、群を抜いて世界一。この数字も「クールジャパン」で誇ったらいい。
精神病に関する世界一はそれだけではない。人口当たりの精神科病床数は、日本が人口千人に対し2.7床。OECD調査によると、千人当たり1床を超えているのはベルギー、オランダと日本の3国のみで、2床を超えているのは世界で日本だけ。アメリカやドイツ、イタリア、カナダなどは千人当たり0.5床を下回っており、日本の5分の1以下。
まだまだ世界一はある。同じくOECD調査では、精神病床の入院日数の平均が50日を超えているのはポーランドと日本だけで、150日を超えているのは日本だけ(日本を除く国の平均入院日数は18日)、日本は296日で驚異的な世界一である。
だがWHO世界メンタルヘルス調査によれば、メンタルヘルス(精神面における健康)障害有病率は日本は8.8%でイタリアの8.2%に次いで低い水準(フランスは18.4%、アメリカは26.4%)である。
なのに、全世界にある精神病床の5分の1が日本にある勘定になる。
厄介者は閉じ込めようという考え方が、日本の組織では根強い。モリカケ問題では籠池夫妻が10か月も勾留された。
精神病患者は入院加療が必要なくなっても、引き取り手がなく入院が長びき「社会的入院」と名付けている。専門家は「社会的入院」者は15万人から20万人と見ている。
1980年代には、日本の精神病者の状況に危惧を抱いた国際法律家委員会と国際保健専門職委員会の合同調査団が派遣され、WHO報告書で、“人権保護や治療の観点からきわめて不十分”と指摘されたが、否定的状況は変わらない。
僕は、金子文子の和歌があたっていると思う。本人の了解も逮捕状もなしに、人の自由を奪って劣悪な環境に閉じ込めるのは日本の精神病院だけである。刑務所と変わらない施設もある。「虐待」と呼ばねばならない。正しい言葉を用いなければ、正確な伝達は出来ないのだ。我々の言葉は、こうした誤魔化しに適している。
・暴力団は、「カモ」や手下をいたぶるのを「可愛がる」と言い
・日本軍は、アジア各地を占領・支配するのを「協和・解放」と書くことを学校教師や報道記者に強制
・幕府は、アイヌ民族を集落から追い立て重労働させるのを「介抱」とうそぶき
・ハンセン病療養所では、園内の重労働を含む作業に患者を使役たその悲惨な有様を「天国」と自画自賛
・中国人強制連行では、どのように理屈を捏ねても「募集」と言い難い場合、「保護工人」と呼び習わし
・軍医は足手まといの兵を殺して「処置」と報告
・官僚がセクハラやパワハラをしても「コミュニケーション」とせせら笑い
・司法官憲は、冤罪のために証拠を捏造、ばれても「適切な手続き」と逃げ
・教師までが、合唱や校歌の練習に、生徒を教室や体育館に閉じ込めて帰さないのを「指導」などと言い張れるのだ。こうした例は枚挙に暇が無い。宗教やスポーツさえも例外ではない。
日本語の構造的欠陥と言うべきだと思う。日本語を母語とする民族の非倫理性、不道徳の胸壁となっている。
追記 「日本精神科病院協会」山崎學会長が同会機関紙5月号巻頭言に、「精神科医にも拳銃を持たせてくれ」と書いた。患者対策のためだと言って。
どちらが狂人なのか。安倍は旭日重光章叙勲にこの会長を推挙して、自ら勲章を手渡しした。
同会傘下の政治団体「日本精神科病院協会政治連盟」からは自民党に三年間で1億5000万円の政治献金が記録されている。個人献金はこの中に含まれない。
昨年11月6日、トランプ・安部会談で米大統領は「日本がより膨大なアメリカ製武器を買うことだ」と期待し、かなりな額の爆買いがまとまったと言われている。米国拳銃メーカーは、銃規制の世論に押されて大量の在庫を抱えている。精神科医の次は、新幹線の車掌・高速バスの運転手・フェリーの船長・銀行警備員・・・テロを口実に「銃を持たせろ」の声が広がりかねない。日本の銃規制まで、米国の為に緩和する鏑矢になるかも知れない。物騒な発言である。
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